Webカメラ「UCAM-DLK130T」を 赤外線暗視カメラとして使いたい
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1WebカメラのIRカットフィルターを外す
レンズとセンサー間に赤外線成分を通さないフィルターがあるので、それを見つけて外すか破壊するかします。
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2可視光吸収IR透過フィルターを装着
1で外したIRカットフィルターの代わりにIR透過フィルターを付けて、可視光線をカットします。
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3赤外線投光器を買うなり作るなりして用意
Webカメラを暗視カメラとして使うには光源が必要ですが、見える光では元も子もないので赤外線で照らすライトが欲しいです。
ガラスレンズ搭載130万画素Webカメラ UCAM-DLK130Tシリーズ(販売終了)
今回は(↑)これを改造して赤外線カメラに改造します !(^^)!
購入してからかれこれ10年以上経ちましたが、窓べりに設置してLiveCapture2を動かして防犯カメラとして使っていたものです。
過去記事を読む
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Windows10でTEMPフォルダの中身が消える件(備忘録)
LiveCapture2のアップロードが止まる!
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このUSBカメラには四隅に白色LEDがあり、近い対象物を照らすことができるので、このLEDを近赤外線LEDに交換し、レンズのハイパスフィルター(赤外線を通さず波長の短い光可視光を通すフィルター)を外してIR透過フィルターに置換し、赤外線カメラとして使ってみようじゃないか
・・・という計画です (*‘∀‘)
先に(↓)赤外線LED投光器キットを作っておきました。
このキットで余った赤外線LEDも今回余さず使います。
赤外線投光器
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赤外線LED投光器をキットで作るぞ計画
赤外線暗視に必要な光源を赤外線LED投光器(キット)で賄う作戦
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エレコムのWebカメラの赤外線カメラ化改造に着手
UCAM-DLK130Tは、ネジを外して筐体を開けられて、レンズ部分のネジも可動式なのでピント合わせもできる構造で、はめ込み部分をむりやりこじ開けるとかしなくてよいのが良いところ(?)です。
が、このネジはトルクスねじといって星形というかMONTBLANC(モンブラン)のロゴのような穴の形なので、トルクスドライバーで開けなければなりません (^^;)
UCAM-DLK130Tのハイパスフィルターはレンズの裏にあった
トルクスねじを3か所外すだけでカメラの筐体はすんなり開けられます。
前面にはクリアなカバーがあって、白色LEDが嵌る凹みがあります。
LEDは例によってリード線で支える作りですね (^^;
レンズ部分をくるくる回して外したところ(↑)
この筒に切ってあるネジでレンズが前後できるので、ピント合わせが手動で可能です。
ELECOMのウェブカメラはこういった構造が多いようで大歓迎です (^^)
CMOSセンサーが見えていますが、蛍光灯の光を七色に反射しているので、ここにハイパスフィルターは付いていなさそうです。
レンズの筒の内側に怪しいガラスが四隅を接着されてついています。
これか?
蛍光灯の光を反射させてみると赤っぽく光ります。
CMOSセンサーやCCDセンサーなどの受光素子は、可視光の波長をカバーする性能はもちろん欲しいのですが、赤外線方向(周波数が高い-波長が長い)の感度もあるので、そのままだと赤外線で見た像も写してしまい、目で見る像と違って見えてしまうので、それを避ける為に近赤外線にあたる400 THz 程度以下の周波数をカットして可視光線以上の周波数を通すフィルター(ハイパスフィルター)や、紫外線と赤外線をカットして可視光線のみを透過するバンドパスフィルターを備えているという事です。
赤外線以下の周波数を通すローパスフィルターというかIRフィルターなどは可視光を通さないので真っ黒に見えますが、可視光線を通すフィルターは目で見て判断しにくいので困ったものです (;'∀')
ハイパスフィルターという言い方がまずければ赤外線カット可視光波長以下を通すフィルターとでも言いましょうか。
周波数と言ったり波長と言ったりすると混乱のもとですが、ハイやローの表現は周波数に使うものですから、波長的表現だとハイパスフィルターは「ロングウェーブカットフィルター」になりますか(?)
こいつをこじって外して、「ロングウェーブパスフィルタ(IRフィルター)」←(ショートパスとかロングパスフィルター的な波長表現は光学機器の世界では普通っぽい印象です)
これまでの表現に合わせると「ローパスフィルター」
・・・に置換します。
※ なんか、ネット上ではローパスフィルターを外して赤外線カメラを作る的な記事を見かけますが、ローパスフィルターが付いてるならそのまんま赤外線カメラぢゃないかっ!
「ローカットフィルター(特定波長より長い赤外線をカットするフィルターつまりハイパスフィルター)」と言いたいだけの言い間違いなのか、それとも紫外線をカットするための短波長側のローパスフィルター(UVカットフィルターつまり短波長側のハイカットフィルター)の事を言っているのか・・・
ネット上で見つかる情報はちょっと意味分からないものも多かったのでしつこく(↑)ハイだのローだのカットだのパスだの書きましたスミマセン m(__)m
可視光吸収・赤外線透過フィルター(IRフィルター)をハサミで切って嵌めたところ(↑)
ほこりが付いちゃっていますが (;'∀')
IRフィルターのしなり弾力を利用して嵌めたので、接着等はしていません。
ほこりなどをブロワーで吹っ飛ばしたら UCAM-DLK130TのIRフィルター付きレンズを元に戻します。
これで一応「可視光線を写さず赤外線成分だけを映像化するカメラ」が出来ました。
で、次はこの四隅にある白色LEDを、先述の赤外線LED投光器キットで余った4個の赤外線LEDに置き換えようという段取りです (*‘∀‘)
IR投光器
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赤外線LED投光器をキットで作るぞ計画
赤外線暗視に必要な光源を赤外線LED投光器(キット)で賄う作戦
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USBカメラから外した白色LED
基盤に半田ごてを当てて引っこ抜くのは骨が折れました。
どこか他のパーツを熱で壊しやしまいかと ( ;∀;)
なんとか無事に極性も間違わずに赤外線LEDに置き換える事ができました (;´∀`)
USB端子をPCに繋いでライトのスイッチONにしてみても、ストロボが焚かれてしまうと光っているかどうか分かりませんね。
暗くして普通のデジカメで写すと、なんとか赤外線LEDの光が紫っぽく映ります。
肉眼ではもちろん見えませんが、ちゃんと通電して発光はしているようです (^^;
USBカメラの筐体を元通りに組み立てた後で、赤外線カメラで赤外線LEDの点灯確認。
わざと光軸をずらしていますが、しっかり光っています。
赤外線カメラ化したWebカメラで実際に暗闇で撮影した画像
納屋のナツメ球だけの薄暗い室中で、赤外線LEDを点けずに撮影した棚の裏(↑)
オレンジ色のLEDナツメ球は意外と赤外線成分を多く出しているようで、棚板より上は明るく写っています。
目には薄暗~い納屋なのですが・・・
暗闇にして、同じ場所をUSBカメラの赤外線LEDを点けて撮影
奥まで1メートルくらいありますが暗いですね (;'∀')
同じく納屋の暗闇でカメラの赤外線LED点灯で撮った猫
至近距離だと白い猫の毛並みは明るく写ります。
先述のキットで作った赤外線LED投光器2台
本当にあり合わせの端材にスペーサーを挟んでビス止め(仮設)しました。
同じく真っ暗闇ですが、これで照らすと・・・
赤外線LED投光器で照らされた棚裏
流石に明るいです (*'▽')
赤外線LED投光器で猫を照らしてみたところ
瞳孔が開いていますが、赤外線LEDの明るさには反応しないのでしょうか・・・
直視はさせたくないですね ( ;∀;)
と、いうことで
UCAM-DLK130Tの赤外線カメラ化計画はうまくいきました。
赤外線LED投光器も安く作ることができました。
赤外線投光器
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赤外線LED投光器をキットで作るぞ計画
赤外線暗視に必要な光源を赤外線LED投光器(キット)で賄う作戦
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あとは、これらを屋外で使えるようにうまくケースに入れるなりして実用化できるかどうかです (;'∀')