シンプルな椅子を2×4材で作る 簡単(手抜き)DIY
最近はどうなのか知りませんが、私が中学生の頃は技術家庭といった実技系の科目で、半田付けでトタンのちり取りや、ほぞ組みで椅子を、鉄塊を削ってタップとダイスで文鎮を作ったりしたものです。
そこで木工のイロハ的な事を習ったハズなのですが、今ほぞ穴をノミで掘るとなると砥石でノミを研ぐなどの手入れを怠っては綺麗には作れないですし、有り合わせ現物合わせ的なDIYは図面通りに材料加工するというよりも、精度に欠ける材をいかに手抜きで組み上げるかの方を優先したかったりするので、本当に手抜きなのですが・・・(^^;
座面と脚がしっかり固定されていれば椅子になるという単純構造
凝ったアーチ状の背もたれや、脚の曲線美,ヴァイオリンのヘッドのスクロール(渦巻き)のついた肘掛け・・・などの付いた、デザイン性の高い椅子は作りません(作れません)。
今日作って明日使う、座るためだけの椅子です(もの上げ台やしっかり作れば踏み台にもなりますが・・・)。
この手抜きスタイルは、ほぞ組みなど高度な木工技術を一切使わない、接着剤とコースレッドでがんがん組み上げるやり方で、私の得意技です。
中学校の技術家庭科のレベルでも接着剤などは使わないホゾ組みをやりますから、私のはそれ以下の技術です。
ノミでホゾ穴を掘るなんてとてもとても・・・。
デスク製作
-
引き出しは無いけど広いデスク(勉強机)の制作
立派な既製の勉強机が買ってあげられない経済事情がヘタでもDIYに走らせる動機なのを悟られたくない親の虚栄 (T_T)
続きを見る
因みにうちの子供用勉強机&椅子もこの手抜き方式です^^;
使う材料
- 2×4(ツーバイフォー)材 6フィート長 ×2本
構造部材にする - 1×4(ワンバイフォー)材 6フィート長 ×1本(または、桧など好きな板材なんでもOK)
背当て板や座面に使う
材料はなんでもOKです (^^
2×4材や1×4材を挙げているのは、安さと手に入りやすさを重視したからです。
杉や桧の無垢材でもいいし、パイン集成材(これは硬いので切るのが大変かも)でもいいですが、柔らかい桐材とかファルカタ集成材だと、強度の点で心配もあるので、座面や背当て面だけに使うといいでしょう。
使いたい工具など
- のこぎり(ソーガイドがあるならソレ用のもの)
- かんな(小さくてもいいが良いのがあると一生もの)
- ソーガイド(木を直角に切るガイド)
- インパクトドライバー(ガガガっと打ち込めるやつ)
- ビス(65mm コースレッド)
- 木工用ボンド(タイトボンド)
- サンドペーパー(紙ヤスリまたは布ヤスリ #240~#400)
のこぎりは同然ながら材木を切るために使います。
長さを決めて切る横挽きと、今回は脚の形を先細にするために縦挽きも行います。
縦挽きは手で切るのは大変なので、ホームセンターなどの材木カットサービスで斜めに切ってもらえるなら、機械で切ってもらった方が楽です。
(近所のホームセンターでは直角カットしか受け付けてくれませんが、ベテランのオジサンが居る時に頼むとばっちりやってくれたりします。)
かんな(鉋)は、面取りと言って木の角のとんがりを落として手触りを良くするのに使います。
サンドペーパーはかんなの代わりに面取りに使ってもいいですし、今回は行いませんが塗装する前の下地処理に使います。
下地処理の場合は仕方ないのですが、面取りでサンドペーパーを使うと、木の粉が舞って始末が悪いので、私は面取りにはもっぱら鉋かを使うようにしています。
木材の接続部分は、ほぞ組みなどの高度な技を使わずに、木工用の接着剤を塗ってくっつけ、更にコースレッドと呼ばれるビスをインパクトドライバー(電動)で打ち込んで、木と木を密着させて固定します。
手抜きと呼ばれようと、簡単で早く、強度も出るので、私はこのところこの方法一択です (*^^)v
(手回しのドライバーしか無い場合は、ビスの下穴を開ける手回しドリルなどが無いとこの方法は厳しいです。ノミでほぞ穴を開けて組むか、釘を金づちで打ち込むやり方にした方がいいかも知れません。)
ちょっと小振りですが、こんな(↑)椅子ならすぐにできます。
座面の高さは40+数cm(座面にクッションを包んだクロス張りするなどして座面が高い場合は、脚を切って短くする方向の調整はすぐにできます)
問題は先述したとおり脚の斜め切りの部分で、ここは手でのこぎりを挽くのはくたびれます (T_T)
材料取りのメモをざっと書いてから2×4材などを買いにホームセンターに向かいます。
- 後ろ脚を2本(脚と背当て部分の柱を兼ねる)斜め切りあり
- 前脚を2本 斜め切りあり
- 前後の脚を繋いで安定させる棒(座面の梁を兼ねる)
- 左右の脚を繋いで安定させる棒
2×4材は幅があるので、斜め切りをしないでこのまま使うとかなりぶっとい脚になってしまい、重くて見栄えが悪いです。
ですが2×4材の幅を残している太い部分を接着+ビス止めするので、強度があって、脚同士の下の部分を繋ぐ貫(横桟)が無くてもなんとかなる(あった方がいいが)。
というメリットがあります (*^^)
前脚と後ろ脚の斜め切りした後の端材です。
経験値が少ない(下手くそな)段階の写真なので、切り口はガタガタでひどいです (T_T)
いいんです。ここは見た目以外では害のない箇所ですから。
大切なのは、スパッと横切りする時の直角です。
工作は直角と平行をいかに出すかが命です (;'∀')
向こうに面取りした鉋と鋸が見えます。
カーペット上で直接作業するのはお勧めしませんが、まずは左右に分けて前脚と後ろ脚を、座面の梁を兼ねた桟で結びます。
ここが平行と直角の出しどころです。
僕はさしがねで適当にやってしまいますが、直角出しの治具を作っておくとやりやすいでしょう。
さて、ここも直角が命の箇所です。
が、ここでの直角は、材木(貫にする)の切り口が長さ方向に対して直角に切れているかどうかです。
面がピッタリ合わないと椅子が歪んでしまいます (;'∀')
但し、貫の切り口の面を受ける脚の材木の横面が歪んでいたら困ります。
往々にして2×4材の面は乾燥で弓なりにしなっているものです。
ほぞ組みではなくて面を接着+ビス打ちの接合方法の弱点ですね (つд⊂)
椅子全体が歪まずに接合できる面を見つけて合わせたら、乱暴ですが接着剤をつけてコースレッドとインパクトドライバーでえいやっと打ち込んで固定しちゃいます。
(↓)の写真にちょこっと写っていますが、ソーガイドという商品名で、木を直角や45°に鋸の刃を安定させるガイドがあります。
Z ソーガイド鋸セット
必須ではありませんし、直角が出ている端材などを使って作ることも出来ますが、これっぽい治具はあった方がいいです。
背もたれと座面は1×4材でいいのですが、写真はヒノキ材です。
長さは座面の幅に、材の幅×枚数で座面の奥行になるので、必要に応じて切って並べます。
背もたれの横板と、座面の一番後ろの1枚は、左右の脚の隙間の長さ(貫と同じ長さ)にします。
簡単(手抜き)自作椅子の完成図
私は塗装せずに、オスモカラーを塗り込むオイルフィニッシュで使っていますが、必要に応じてサンドペーパーで下地処理して塗装を重ねるとまた違った風合いになります。
手で斜めに切ってガタガタになった切り口です ( ;∀;)
労多くしてこの結果では、カット代を払ってもホームセンターの機械で切ってもらった方がすっといいですね (^.^)
手で切る時もそうですが、大きな丸鋸で切ってもらう場合は特に、切り口のささくれとか切断面が荒れていたりするので、鉋やサンドペーパーで角を丸めておくのは必須です。
ここまでのやり方+α で作った椅子(↓)
-
収納付き シンプルな椅子のDIY
続きを見る
一手間加えて 座面クッションと背当てランバーサポートを
ここからはおまけですが、ベニヤ板を切って
クロスを切り、発泡ウレタンシートを挟んでタッカー止めすると
(↑)は別の椅子(背もたれの横板2枚仕様)ですが、座面にクッションが付きました。
ベニヤ板は、裏から短いビスで固定しています。
背もたれの横板を2枚にしたのは、隙間部分に背当てクッション(ランバーサポートクッション)を挟むように固定して、取り外し自由な仕様にするためです。
腰椎のカーブに沿う位置か、やや高めの位置に膨らみを作る事で、寄り掛かった時でも骨盤を寝にくするので腰痛予防になります (*^^)