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バランスチェア(もどき)を作ってみた

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バランスチェア(もどき)を作ってみた

北欧家具など買えないので バランスチェア(もどき)をDIY

先般紹介した引き出しの無いデスクがまだ引き渡し前なので、ブックエンドなどを置いてナショジオなどを立ててみたりして眺めていると、自分の机にしてしまいたい欲求に駆られます (^^;
しかし元々上の子の勉強机のつもりで作ったのでそうはいきませんが・・・。

背骨の生理的S字弯曲を保つ座り姿勢は正座が○ でも膝には ×

バランスチェアを作ってみた

タイトルの自作バランスチェア(もどき)。
上用にフィッティング済みの自作椅子と自作机を下が横取りして占領しています。
お前の体格では再調整が要るのだぞ。
・・・ナショジオは基本写真誌なので眺めるだけでも楽しいですが。

体格に合っていない写真なのでこれでは参考になりませんが、椅子に腰かけて背もたれに寄り掛かる座り方は、骨盤を後傾させて腰椎の前弯(生理的S字弯曲)を消失させるので、慢性的な腰痛のもとになります。
車の運転姿勢とか映画館の椅子,ソファーでリラックスしている姿勢もそうですね (^^;

骨盤と腰椎の角度で見ると、理想的な座り方は「正座」ということになりますが、正座は体格にもよりますが膝に負担をかけるので、膝の悪い人にはご法度です。
膝には普通の食卓椅子のようなフラットな椅子が立ち上がる時の負担も少なくて理想的です。
が、先述のように骨盤を立てる座り方をしていられれば良いのですが、フラット座面椅子でも背もたれに寄り掛かると腰が丸まって良くありません。

では膝に負担がかからない正座の仕方はないものでしょうか・・・。

お尻だけちょこんと乗せる「正座座椅子」的なもので膝の曲がりを緩和して座るのも一法です。
畳などで床生活をするなら正座座椅子が一択かもしれません。
コタツの座椅子は脚を伸ばせて楽ですが、骨盤の後傾度合いと言ったらソファー並ですから、行く行くは腰のトラブルになりかねません。

椅子生活ならば、あるいはデスクに向かうならば、1976年にハンス・クリスチャン・メグソール氏が提唱したバランスチェア(balans®)が理想的だと思います。
-balans®の歴史- https://www.balans-japan.com/collection

 

本家のバランスチェア(balans®)が欲しくても買えない ( ;∀;)
ならばせめて自作のバランスチェア(もどき)で姿勢を守りたい

今回のは、いつものように一気に仕上げたというよりも、人間工学的考察に基づいて(既製品の写真を眺めて研究し)、ジオメトリーを算出し(鉛筆で例のラフを書き)、構造材の強度計算とパーツの削り出し(踏んで不安が無ければおk。ホームセンターで2×6を切ってもらう)、そこまでに2日。
ボルトが届くのに2日,生地を選ばせるとか買って来させるとかに数日,あと、どうするか作りながら考えるのに1日。

・・・と、斯様にノンビリペースで行ったので、実は今回はナント途中経過の写真があるのです (^^)
せっかくたくさん撮ったのだから、これでもかと載せます (^^ゞ

 

自作バランスチェアの材料1

オーバースペックな材料揃え。
船大工は、素人に舟を作らせた方が沈まないとか言うとか言わないとか。
素人は自信が無くて怖いので、舟を無駄に頑丈に安全に作るのだそうです。コストは合わないでしょうが・・・。

それと同じで、接続部分の強度に自信が無いと、接する面積が欲しくて材が太目太目になってしまいます (T_T)
結果、頑丈だが重い椅子が出来る事となります。

 

自作バランスチェアの材料2

これらが座面と膝面になります。

 

バランスチェアの座面にクロス張り

洗車用の大きなスポンジをあんこにして生地で包み、ベニヤに打ち付けます。

 

バランスチェアの製作-仮留め

仮止め。

実はこれは試作品的な扱いで、巧く行ったら次に作る時はその形状で、必要最低限の強度で軽く作るつもりです (^^)

この段階で、ジオメトリーが果たして正しい姿勢を保持してくれるのか,荷重を支える力と向き,体重移動した際のバランス,アライメントはどのくらい狂うと体感するのか,などなど、現物合わせの試行錯誤を繰り返します。

 

座面は前後に動きます

座面は前後に動くようにし、適正な所でボルト止めします。

 

膝面は固定します

膝面はもう固定しちゃいます。可動部分が多すぎると、かえって合わせにくくなりますし面倒ですから (^^;

 

可動部分はM8ボルトで固定

体勢を合わせられるように可動性を持たせた部分は、M8のボルトで固定しました。
ほぼ完成形です。

座面の前後と僅かな角度調整,膝面の前後位置と角度調整のできる余地を残したくてこうなりましたが、出来上がってみると、坐骨と膝蓋骨までの距離,脛骨の長さ,及び座高のデータがあれば、予めフィットしたジオメトリを得る事ができそうですし、可動部分を少なくして細身で軽く作る事もできる事に気づきました (^^;

こうして経験値が上がるのでしょうね。
この試作は結果的に重くてごついですが、丈夫さが取り柄です (^^)

せっかく用意した資材は有効活用

永く使える机や椅子は、使い込むにしたがい使用者の手垢が染み込み、キズや汚れ、落書きなども年輪のように本人(や親)にとっては馴染んだモノになっていきます。

ですが下の子用にこの春に作って使わせている椅子(職場の椅子と同形)は、ウッドワックスもかけずに白木のままでしたので、まだ1年も使っていないのに背もたれや手で触れる部分が黒ずんできて、このままではすぐに真っ黒になってしまいそうな勢いなので、こいつに鉋をかけて白木の艶を蘇らせて(ウソ。サンダーで誤魔化し。)遅まきながらワックスをかける事にしました。

例のデスクも上の子が使うのだから、鉛筆で黒ずんで行くのが目に見えているので、これもついでにワックスがけ(手に触れやすい部分だけ)する事にしました。

その前に、余った生地をベニヤ板に張り、

 

椅子に裏から打ち付けて冬仕様に

以前作った子供用椅子に裏から打ち付けて冬仕様に。

 

切り出した材の端くれ

切り出した材の端くれ。
何かの時(何のだ)の為に取っておきます (^^;
こんなふうに貯まっていく捨てられない端材が、後にあちこちで活躍するのもDIYあるある。

 

自作バランスチェアをデスクにセット

バランスチェアもどきの試作品の完成品(長い!)を、デスクにセットしたところ。
デスクにはウッドワックスをかけました。

チェアは体格にフィットさせる余地を大きくした割に、絶対高さの調整機構を持ちませんので、低くする時は材を切り詰めなくてはなりません。

これで座ってみると、なんと腿がデスクの面に当たってしまうではありませんか。
これでは姿勢が猫背になってしまい、バランスチェアにした意味がありません。
そこで・・・

 

デスクの方を二重脚に

デスクの方を二重脚にして高くしました。
苦肉の策です (^^;

デスク制作
引き出しは無くとも天板の広いデスク
引き出しは無いけど広いデスク(勉強机)の制作

立派な既製の勉強机が買ってあげられない経済事情がヘタでもDIYに走らせる動機なのを悟られたくない親の虚栄 (T_T)

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バランスチェアの高さが高かった

相対的な高さ関係はちょうど良くなりましたが、デスクを普通の椅子で使う時にはやや高いです。

まぁ行く行くバランスチェアが不要になったりしたら、第二の脚はビスを外して取り外せますから、また普通のH700のデスクに戻せます。

 

椅子のボルト13㎜用工具

椅子のボルト13㎜用工具。
13㎜のレンチって、車用には普通無いし、あまり使わないので、こういったおまけのレンチを取っておくと何かと便利です。
バランスチェア(もどき)の近くにいつもあるように、デスクの二重脚部分にビスで止めておきました。

なんちゃってバランスチェアとデスク(と言い張る)のセットが完成

完成した「学習机&バランスチェア(もどき)セット

・・・と、そんなこんなで完成した「学習机&バランスチェア(もどき)セット」。

背もたれと後傾座面を持つ椅子による背骨と姿勢筋の負荷を減らし、正座をした時の理想的な脊柱のカーブの保全と膝関節に負担を掛けない勉強姿勢が自然に身に付きます。
(ありがちなキャッチコピー)

そんなものは市場にいくらでも出回っていますが、今回の製作で費やした費用は、デスク込みで約1.5万円。
一番高い材料は「ボルトとナットとワッシャー5組」。
次は「椅子の布生地」。
「天板18mm厚」。

いつもならば数百円で上げる材料が、私としたことがこんなに高いモノを揃えてしまうなんて・・・。

しかし、試作にはコストがかかるものです。
次は最小限のコストで最大のパフォーマンスを得る!と、心に誓う晩秋のDIYerなのでした。

 

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バランスチェアⅡ号横から
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