初心に帰って鉛筆削り
鉛筆や色鉛筆を使うのは、美術系でデッサンなど描きまくる人や珠算を習っている人を除いては、今どきほぼ小学生くらいまでなのではないでしょうか。
それも、電動シャープナーや手回し式の鉛筆削り,色鉛筆はもっと小型の円錐に刃がついていて回して削る削り器などで削ることがほとんどでしょう。
デッサンとか製図とか、特殊な用途以外で鉛筆をカッターや小刀,切り出しナイフなどを使って手で削る人は少数派でしょう (^^;
では、なぜ今どき手作業で鉛筆削りを勧めるのか(まだ何も勧めてはいないですが)。
手削りのメリット
- 木の肌触りが良い
機械削りだと、鉛筆の削られる円錐部分の木目に対して横から刃が当たるので、木肌が荒れる部分ができやすい。
ナイフで削る場合は、刃が木目に逆らわずに円錐(6角錐とか多角錐)を作るので、木肌がなめらか。 - 芯の残し方が自在
デッサン用に鋭角に削って芯を長く残すとか、柔らかい色鉛筆やチャコペンシルなどは芯出しを少なくするなど、角度調整が自由。 - 刃物の扱いに慣れる
木工の基本である木を切る削る、力まない力加減などの感覚が身につく(かも)。 - 幼少期から刃物に触れる機会を持つことで、危険回避能力が育まれる(かも)
幼少期に薔薇のとげで指先を傷つける(痛い思いをする)経験のあるなしが、その後の人生の死亡率を左右するというデータがあります。(ソースは忘れました)
出血する怪我(切り傷)は、深刻な事態になりにくい指先で経験しておく方が大けがよりもましという考え方もあります。 - 刃物の研ぎの技術が磨かれる(かも)
これはカッターではなく小刀や切り出しナイフなどを使う場合ですね。
包丁や彫刻刀など、研ぐ必要のある刃物は沢山ありますから、研ぎもうまくなれると人生楽しいです(個人的意見です)。 - うまく削れると気持ちが良い
心を落ち着けて鋭利な刃物で鉛筆を削る作業は、書道で墨汁を使わずに硯で墨を擦るプロセスに似ています。
瞑想にも似た鎮静効果で安眠も誘います(個人的感想です)。
こじつけを含めると多くのメリットがありますね (^.^)
手削りのデメリット
- よく切れるナイフが必要
刃物を研ぐ作業が必須です。
カッターなどでも良いですが、刃が左右方向の弾力を持っていてしなるので、鉛筆削りの気持ちよさといった点では厚みのある刃のナイフには劣ります。 - 慣れないうちは指先を怪我する事がある
刃物による切り傷ですね。不衛生な刃物は使わないようにしましょう。
上達するまでの通過儀礼のようなもので、転んで膝を擦りむく事が自転車上達の過程で付きものであるようなものです。
痛い経験をするから育つ感覚もあるのです(個人的見解です)。 - 鉛筆削りに時間がかかる(かも)
上達するとそうでもありません。
電動鉛筆削りにはどうしたって負けますが・・・ - せっかちな人には向かない(かも)
そんなものです。釣りはのんびり屋さんよりも短気な方が上達するそうですが(ソース:釣りキチ三平)、鉛筆削りにも言えるかどうかは分かりません。
削った鉛筆で何をするか(書くか描くか)の方が重要なのですから。
どんなことにもデメリットはあります。
気にしないで鉛筆を削りましょう (;´∀`)
鉛筆削りは 刃物を動かすよりも鉛筆のほうを引く感じで
親指で刃物を押し出すのがコツ
カッターの刃は薄く、左右にしなる弾力性がある代わりに刃が鋭利で、角度を間違えて切り込むと修正が効きにくいのですが、厚みのある小刀の刃は多少こじったり刃が切り込んだ木をえぐったりしやすい(おすすめはできませんが)ので、鉛筆削りの練習にはもってこいだと思います。
鉛筆削りのコツは、鉛筆を強く握らずに、ナイフの方をしっかり持って、鉛筆を握る手(たぶん左手)の親指でナイフの刃を押し出しながら、相対的に残りの4本指で鉛筆を手前に引くような感じをつかめると、少しづつ木を削って鉛筆の芯を出していく感覚がつかめると思います。
カッターではダメなの ?!
全然OKです。
ですが先に述べたように、刃が薄いカッターやカミソリなどは木削り芯削りの制御が難しいと思います。
カッターの刃はよく切れます。
上手にカッターで鉛筆を削っている動作を観察すると、力まず削ぐような感じで削っているのがわかると思います。
刃が芯に当たると、芯に沿ってかすめるように刃がしなって逃げますから、芯出しを多くしたいなどの目的(デッサン用など)があるならば、カッターの方がうまくいくかもしれませんし手軽でしょう。
研ぐ手間もありませんし (^^
カッターのメリットとデメリット
◆ メリット
- 刃が元々鋭利で切れ味抜群。
- コンビニでも文具店でもAmazonでもどこにでもあって入手しやすいし借りやすい。
- 筆箱に入れておける。
- 人に貸しやすい。
- 携行していても不自然でない(職務質問も怖くない)
- 刃のしなりを使って芯を残すなどの技が使える(かも)。
◆ デメリット
- 木と芯を一気に削ろうとするとうまくいかない。
- 必要以上に刃を出す癖がつくと替え刃が頻繁に必要になる。
- そもそもカッターは刃先の鋭利な一点(とその近辺)で切るものだから、折る刃のメリットは鉛筆削り向きではない。
- 刃物を研ぐ苦労と、うまく研げた快感を知らぬまま、砥石のメンテも出来ぬまま人生を送ることとなる(大袈裟)。
小刀(切り出しナイフ)贔屓の偏見に満ちた見解です。
カッター派の方 スミマセン <m(__)m>
逆にカッターのメリットは、即、小刀(切り出しナイフ)のデメリットでもあり、特に刃に鞘がない切り出しナイフを持ち歩く不便さ不自由さ危険さといったら、警官を見かけると物陰に隠れたくなるレベルですから(大袈裟)。
どんなことにもデメリットはあります。
気にしないでカッターで鉛筆を削りましょう ヽ(^。^)ノ
夜更けに鉛筆を削っていると 不思議とリラックスできてしまう副作用
子供が使って短く丸まった鉛筆を深夜にナイフで削ってみると、精神統一なのか鎮静効果なのか、落ち着いて安眠できるのは不思議です。
初心に帰るとか言いながら、不要不急の古い鉛筆を削りだすのは、鉛筆削りのリラックス効果が目的だったりします (^^;
余談ですが、(↑)のAmazonリンクの切り出しがおすすめです。
動画で使っている私の切り出しナイフは幅24mmのタイプです。
様々な木工に使うので、しっかり握れる太さを重視したためです。
ですが、幅が広いと刃幅もあるので研ぐのがめっちゃ大変です(大袈裟)。
先と手元の刃の角度にうっかり差をつけて研いでしまったりすると、後々修正するのが面倒ですし荒砥も削れてしまいます ( ;∀;)
21mm幅か18mm幅が鉛筆削り用途にはちょうどいいかも知れません。
片刃の鋼の刃を扱い慣れると気持ちいいですよ(個人的感想です)。